こころからの謝罪 Sincere apology

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こんばんは。今日はこころからの謝罪というテーマについて考えてみようと思います。img_1430

 

先日、京都大学の小さな教室で研究者の方々と愛についての学際的 (専門領域を超えた)なこじんまりとしたディスカッションに参加させていただく機会をいただきました。

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初めて参加させていただいた会でしたが、やはり研究者とあって私とは違います。使う言葉が「係数のかけ方がさぁ」とか「カタツムリの恋矢」とか「そのドキドキ吊り橋効果じゃん」「イデアがさぁ」とかの表現を普通にするのです。いやぁカッコいい!私にとってはもう子どもが大人の世界に入れてもらった気分でした。楽しかったです。うるさく喋ってすみませんでした。

私は高校卒業後、小さな会社で様々なイベントを企画する仕事をしていました。駅の中で行うイベントから自動車関連のイベント、会社の社長様達のセレブなイベント…。まぁこんなに沢山の方々とお逢いできる人生、ひとと異なる経験ができることというのは苦労も多いですが面白い人生だと思います。

食べ物と住まいだけさえあれば、これまでの人生を肴に引き篭って一生過ごしても良いと思うことさえあります。

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でも、現実の時は刻々と流れて行きます。昔だったらなぁと確実にエイジングを感じる日もあります。一方で、自分の中での空想に浸っていると空想の上ではいつまでも若いつもりで…。現実の時間と空想の時間の狭間で迷子になりやすい自分も感じています。

今でも忘れられないエピソードがあります。私は友人が多い方ではありません。しかし、大切な友人がいます。その友人とは歳がとても離れています。現在80歳代です。その友人とは私が21歳の頃知り合い、多くの時間を共有し、楽しいことも美味しい食事も、もちろん辛いことも…多くを共有し、語り合ってきました。友人と私の関係は永続的だと私は考えていました。しかし、ある時、些細なことから大げんかになりました。今思えば、友人は私を思い心配し過ぎてくれた故こそのけんかだったのですが、友人からとても傷付くことを言われました。私はその時、自分の人格を大切な友人から全否定された気持ちになり、それはそれは深く落ち込みました。

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ただでさえ少ない友人関係すら私には無くなってしまったと考えてどれだけ落ち込んだことか…。その時、私は深く傷ついていたけど、自分の気持ちを誤魔化してまで友人に媚びることも同じように頑なに拒否する自分もいました。

「独りで生きていくさ!」なんて強がって、新しい友達を必死に探そうともしていました。友だちやパートナーは見つけようと思って見つけられるものではないのに。

1年ほどしたある日、その友人から電話をいただきました。

前置きが長くなったけど…。その電話の内容は「私にあのけんかの時に発したひと言に対するこころからの謝罪」だったのです。私は、友人が謝ってくれたという行為そのものではなく、私を傷つけただろうひと言を友人も覚えていてくれたこと、友人はそんな自分が厭になったことを誠意をもって私に話してくれたこと、何度も迷った末の電話だったこと、私との対人関係のことを私だけでなく、友人もこころのどこかで思っていてくれたことに対して、ことばではいい表すことのできない温かい何かが湧き上がりました。

大人になると、悪いと思っていないのに「表面的に」「部分的に」謝罪をしなければならないこともあります。それはあくまで「ルーティン謝罪」であってこころからの謝罪ではありません。こころからの謝罪は、恥ずかしいさも伴うかもしれないし、自己責任を認めることでも、至らなさを認めることでもあります。

友人はそれらのことを超越して私にこころからの謝罪をくれました。

いくつになっても、時が経っても、自分の中で本当にごめんなさいを感じた時には、大切な友人のように「こころからの謝罪」が出来るような自己を熟成していきたいです。一方で自分で悪いと思わないことに表面的な謝罪はしない自分も大切にしたい。謝ることで偽りのうわべだけの関係が続くなら諦めがあってもしかたない。でも、本当に申し訳ないと思うなら、こころからの謝罪の気持ちを相手に伝える勇気を持ちたい。その謝罪から何らかの責任が生じるとしても。恥ずかしかったり、相手に赦してもらえなかったりしても。

こころからの「ごめんなさい」が言える私になりたい!

先日久しぶりにその友人とお会いして、あの世でも?また茶飲み友だちになる約束をしてきました。そんな数少ない友人をこれからも宝物ならぬ宝人にしていきたいと改めて考えた次第です。お読みいただきありがとうございました。

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