インカさん–代理ミュンヒハウゼン症候群

今日は「ミュンヒハウゼン症候群」という少し難しいことについて考えてみたいと思います。

ミュンヒハウゼン症候群とは、簡単にいうと「自分が」周囲の関心や同情を引くために病気を捏造したり嘘をついてしまう病気です。イギリスのホラ吹き男爵にちなんで命名されました。代理ミュンヒハウゼン症候群とは、自分の子どもやパートナーなどの「近しい人」を使ってその対象を利用して周囲の関心や同情を買うというまたやっかいな「虚偽性障害」です。特に代理ミュンヒハウゼンの方は(なんてあの人って娘さん、息子さん、奥さん、彼女さん思いの優しい人、お世話上手な人なんだろう)と周囲は感じてしまうのでなかなか気付かれにくかったりします。

病態が変化すると演技性パーソナリティ障害やボーダーライン様の症状を呈します。見捨てられることに対する極度な不安、感情のジェットコースター…。薬物療法が奏功しにくいこともあります。共依存やストックホルム症候群イネイブラーなどとも親和性があります。

今日は特に代理ミュンヒハウゼンの特徴について考えてみたいと思います…有名なケースで小児科の入院があります。治りかけているときにまた症状が増悪します。医療関係者は「何故?」となりまた懸命に医療行為を行い、子どもの世話をかいがいしくするお母さんに心を痛めます。「お母様も大変ですね。毎日のことですから」となります。実はお母さんは自分の子どもが治ってしまうことによって「子ども思いのいい母親」という役割を降りなくてはならないことが受け入れられないのでしょう。病気が治りそうになると子どもの点滴に誰もいない隙にばい菌を入れてわざと症状が治らないようにしているのです。医療関係者は気付いた時には「え〜!あんなに良いお母さんがまさか!」となるのす。

コワイコワイ!当然虐待です。

これまでの代理ミュンヒハウゼンに対する私の所感です。彼や彼女の特徴は「私は至って正常、大丈夫なのですが、息子の…彼女の…彼の…メンタルの問題でここにきました」と仰ります。代理人には「自分が良いことをしてあげてる。自分は至極真っ当である。ダメな受け手がダメなままいてくれる姿を愛しむ」のです。「私がいないと生きていけないどうしようもない人」という自己中心性の極みでしょう。

一方、その受け手側の特徴について…これもまた私の所感です。「私は…僕は…親、彼、彼女が…自分が病んでるというから自分は病んでいるに違いない」と仰ります。ずっと「精神が病んでる」「あなたは私がいないと何も出来ない」「パーソナリティの病気」とか近しい人から言われ続けていたらその方の良さは無くなってしまい、いつのまにか洗脳されてしまっているのです。軽微なストレスの蓄積ほど難治ケースになることは多いのです。受け手側は「逃げること」「治すこと」「自分らしさを育むこと」をすっかり諦めてしまっているケースがとても多いのです。そのような過程を経て受け手側は「解離」や「自傷行為」などに走ってしまうこともあります。

受け手の多くは幼少時から複雑な生育歴があり「親や彼や彼女が何もできない人間で、心配だし、お世話が必要。放っておくとあなたはろくなことにはならないし、生きていけない。だから言うことを聴くことが必要なのです」と暗に洗脳されています。代理人のみが被害者にとって唯一無二の理解者であり、操作者であり、その他の関係は全部悪であり誰が何を言おうと意見を受け入れることは許されないと幼少時は親に言われ、思春期以降は親からパートナーに代わり「絶対的権力者がいないとダメな人間、ひとりでは生きていけない」と「思い込んで」「諦めて」います。その思い込みは、時に妄想的でもあり大変に難しいのです。

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ここからインカさんのケースについて書かせていただきます。

ある時相談室にカップルがいらっしゃいました。彼曰く「彼女が解離性障害でずっと手をやいています。人格の特徴と困ったことを書いて来ました」と彼は言います。私は(クライエントさんは彼女さんなのですね)と質問をします。「もちろんです」(では、彼女さんとふたりきりでお話させていただきますので終わりましたら私から連絡させていただきます)と伝えます。すると彼は「この子はふたりになると何も話さないし、下手すると暴力を振るってご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんので」(大丈夫です。今日は信じていただけませんか。ご心配なら私はカウンセリング出来かねます)「これが彼女についての報告書です」渋々彼は帰ります。彼女に向かって「すぐ近くで待ってるからね」。

(シメシメ…)「Aさんこんにちは。彼は相当ご心配なようですね。たくさんお手紙いただきました。お手紙拝見してもよろしいですか」Aさんの了解(うなづき)を得てお手紙を読みました。彼氏さんの情報によると、主人格エマさん21歳の出現頻度が30パーセント、人前にいるとインカさん3歳という話せない女の子になる。インカを追い詰めると暴力を振るう。(はいはい次は?)男性の人格で荒っぽいシンゴ17歳男性になり、シンゴは過量服薬や自傷行為がやめられない出現頻度12パーセント…。(コマカイ…足したら145%?になるし…)

「Aさん、ありがとうございます。パートナーさまから情報読ませていただきました。分かりやすく書いてくれてありがたいです。私は今日はAさんと私のふたりだけでお話したいです。今日は初めてですし、Aさんも緊張されていると思います。良かったらAさんからどんなことでもお話していただけますか」。

しばらく沈黙が続きます。下を向いてキョロキョロ、心配でドアの方を見て帰りたがっています。私も気まずいです。5分ほど無言が続きました。私「あの、彼がいないと難しそうですか?難しいようでしたら今日はここまでにしましょう。でもお金もいただいているのでお話出来ないようでしたらこれからカウンセリングは難しいです。彼と一緒のセラピーを私はお受け出来ません。…ごめんなさい…」

Aさんはぎゅっと両手を握って下を向いたままポツリと「あの、私病気とかにされてるみたいですけど、私は本当に病気なんですか。私には自分というものがありません。私、彼に食べさせてもらってるんですよね。付き合い出して最初はそんなことなかったんですけど、いつからか、どんどん彼に色々なこと決められて勝手に病気扱いされちゃったんです。人格の名前も勝手に彼が付けたし、病院にもここにも彼が連れて来たんです。だから、私がこれから話すことは彼には言わないで下さい。それを破ったら私は小澤さんのこと恨みます。名前…エマとかシンゴとかインカとか…ほんと分からないです。言われた通りにするしかないし、そうすると彼も機嫌が良いのです。でも、エマだねと言われると本当にその時はエマになってしまう気がするのです。とりあえず私みたいな人間を食べさせてもらうのは大変だし、私には彼しかいないし、他の出会いとか探せません。もう、逃げられないし彼が好きです。彼に悪いし…彼なりに…曲がってるかもしれないけど…私のこと大事に思ってくれてるのは分かるし」

ふむふむ。(こういう話はこれまでも、お医者さんとかカウンセラーとされたことはありますか)「いつもべったり隣にいて私は何も言わないのに彼が全部話してそれをお医者さんとかそのまま聞いて薬とか出されるのでとても言えないです。ふたりにしてとかこれまで言われたこともはじめてで」(彼は心配でいたたまれないでしょうね)「そうです。だから言わないで下さい」(今日は箱庭でもしてみませんか)「…そうですね…何話したか後でいっぱい聞かれるから」。

時間になって彼にお電話をしてお迎えに来ていただきました。彼「今日はインカが出たんだね」その瞬間クライエントさんは泣き出し赤ちゃんのようになって彼に抱きつきます。彼「彼女の病理は複雑なんです」(そうですね。ふたりきりにしていただいてご心配おかけしました)彼「やはり彼女の解離の病理は深いんですか」(よくここまで彼女さんを支えて来られましたね)

もし解離を助長しているあなたが問題なんて言ったら大変なことになってしまう。(しばらく考えて)「今日は箱庭をしました。Aさんの箱庭からは希望の印が見えました。見てください!今日はお疲れになったと思います。ゆっくりお休み下さい」。

彼は口調も赤ちゃんに話すような口調になり「インカちゃ〜ん。ダァダだよ。もう大丈夫だよ。ごめんね。知らない人とふたりにして怖かったでしょう」Aさはうなづいて涙を流します。「ほら、インカちゃん、テンティにありがとうは?」Aさんは無言のままです。彼「すみません。インカはお礼も言えない悪い子だねぇ。あ、すみません〜ありがとうございました」

インカかぁ…。ダァダ⁈…。ここは劇場みたいなところ。箱庭を片付けながらひとの関係性の難しさについて色々なことを考えました。当然ですが、このお話は特定のクライエントさんのことではありません。

お読みいただきありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぶっちゃん 556 クライエントさんではありません

こんにちは。今日はマンション管理業のぶっちゃんさん(推定年齢70歳 小柄 痩せ型 男性)について書かせてください。

私はプライベートで引っ越しをしました。引っ越し先は古いマンションの1階です。慣れないことばかりでいる時に管理人さんのぶっちゃんさんにゴミの捨て方やこのマンションのルールなどを教えていただきました。

私はよくクライエントさんに「お日様を適宜に浴びると気持ちいいですよね」なんて話すのですが、犬の散歩以外はインドア派の極みです。

朝の日差しが眩しいとすぐに起きてしまいます。なので、カーテンは遮光1級のもので真っ暗な環境がないと寝られず、時折旅行先などでは本当に困り、アイマスクが欠かせません。それに、私は空想の世界に耽溺していたいことがあり、現実的なことや時間に縛られた生活から時々置いてきぼりになる時もあります。

引っ越し先の両隣は倉庫で、私も倉庫に住んでいます。左の倉庫はぶっちゃんさんが任されて管理しています。私寝ている朝5時頃…ガラガラゴーン!という音がして、何?雷?と思って外に出るとぶっちゃんさんがマンション中から出たゴミを整理しているのです。私はパジャマ にガウンですっぴん眼鏡のまま「ぶっちゃんさん?おはようございます」と声をかけます。「はいよーおはよー」ぶっちゃんさんは朝から元気です。

もう一回寝ようと思ったのですが、ぶっちゃんさんの笑顔があんまりにも素敵だったので(お忙しいですか?もし良かったらマンションのこととかお聞きしたいんですが…) オレンジのキャップ姿の笑顔で「うん、お宅の前に住んでた人はねぇ、祭りが大好きでねぇ、いつもマンションの前で真夜中まで酒盛りしてたんだよ。外でカラオケしてまでたんだよ。冬場なんてストーブ出してみんなで騒ぐもんだからねぇ。ボヤも出してそりゃクレームも来てたねぇ」(えぇっ!事故物件的な?)「大丈夫大丈夫。心配ねぇって。色んな人が住んでんだよ。新宿なんだから。夜のお兄ちゃんもお姉ちゃんも赤ちゃから年寄りまで…保育の先生も社長も肉の卸屋も同じところに入ってるんだから」と年齢に不相応で本当に肌艶の良いぶっちゃんさんが言います。お邪魔すると悪いので、しばらくパジャマにガウンを着たまま外でぶっちゃんさんの仕事っぷりを見ていました。保育園に向かう子どもとお母さんは「おはようございまぁす」ぶっちゃんさん「はいよーおはよー」次に会社員はぶっちゃんさんに黙って手を上げ会釈します。反対のお隣さんや社員さんはマンションのテナント倉庫にご出勤。クロネコヤマトさんの緑の手押し車も来て、スーパーに向かうトラックも目の前を通り始めます。

ピッピー…ブーン…デイケアのお迎えの車も来ます「おはよー行ってらっしゃいー」デイケアの利用者さん「行ってきますー」。

朝帰りのお兄さんに「お疲れ様〜今日もお客さんに呑まされたの?」お兄さん「はい…仕事っす…お疲れっす」。ぶっちゃんはテキパキニコニコ笑顔で週末に溜まったゴミを分別しています。(大変ですねぇ。こんなにいっぱい!)「んなぁ〜どうもねぇ〜もっと大変なマンション他にもいっぱい行ってるんだから」とのことです。

急にぶっちゃんさんが大きな声で「おっ、来た来た!」と言うのです。(え?)「鉄くず屋のお兄ちゃんの車だよ。あぁ〜ひと回りしてまた戻って来るんだなぁ」見るとトラックに古い自転車とか使わなくなった冷蔵庫やレンジが沢山乗ったトラックが通り過ぎて行きました。

その後、マンションに違法投棄された信じられない量の粗大ゴミをぶっちゃんさんがそのトラックに積み込みます(大変な仕事だなぁ…)。私は使わないけど置き場もないし棄てられない椅子に困っていることをぶっちゃんさんに相談しました。「心配ねぇって。用事ある時少し位預ってやるよ」(良いのかなぁ…)その後、ぶっちゃんさんは自転車を点検しています。(自転車整備もお仕事なんですか?)「違う違う!これはさっきのトラックの人と交換したんだよ。このマンションに鉄のベッドとか捨ててく人がいるからそれを倉庫に取っといてんだよ。最近はすぐ引っ越しだからって何でもかんでも捨てちゃうから、もし自転車を捨てちゃう人がいて程度の良いのがあったらもらえるように頼んでたんだよぉ」(やったぁ!じゃあこれぶっちゃんさんの自転車になったっていうこと?)「そうそう!」(ぶっちゃんさんにはちょっとサドルが高いから下げよう)「どうもねぇって。心配ねぇって」(いやいや足はぺったんこについた方が良いって)と話しながら、私は自分がパジャマにガウンということを忘れてしまい、ほとんどぶっちゃんさんとは身長が同じだからサドルを一番低くして、ぶっちゃんさんのものになった自転車でくるりと道をひと回りしました。パジャマにガウン。ぶっちゃんさんはライトやギアやブレーキを確認して「556!556!」とスプレーをひと吹きします。(ぶっちゃんさん乗ってみて)「うん。こりゃ足もついて丁度いいや」とマジックテープの靴で嬉しそうにトントン足をつけて試乗。目の前の自転車屋さんで防犯登録して管理会社のシールを貼って、ぶっちゃん号完成!ハイタッチ!

(ぶっちゃんさんはこの自転車でどこに行くんだろう)ってぼーっと考えていただけなのに、ぶっちゃんさんは心配してくれたのか「自転車ないの?今度ねぇちゃんのも頼んであげよっか?この自転車一緒に使うか?」と言ってくれました。(自転車あります。ありがとうございます)私は屈託ない笑顔とみんなから愛される、みんなが喜ぶように自然と振る舞うことのできるぶっちゃんさんみたいな人が大好きなんだな…。

ガラガラゴーン!って音がしてもぶっちゃんの印だと思うと安心出来ます。で、私のピアノの爆音でもぶっちゃんさんのお仕事部屋に響いてしまうのではと心配になり「うるさくないですか?」ってお聴きしたところ「何もねぇ。心配ねぇって」言ってくれるぶっちゃんさんみたいな方が管理人さんで良かったし、ぶっちゃんさんのようになりたいと心から思った次第です。ぶっちゃん号はどこに行くのかなぁ…ガラガラゴーン!が聴こえたらまたぶっちゃんさんとお話出来ると思うと楽しみです。

ぶっちゃんさんに職業を訊ねられたので「臨床心理士」とお伝えしたのですが、ぶっちゃんさんは「あぁ病院の検査技師さんかぁレントゲンの…」(えっとこころの方なんです)

「あぁ占いかぁ…人のミライのね…ピアノあるからピアノの先生ってみんなに言っちゃったよ」(ピアノは永遠に弾けないので生徒なんです)「そっかぁ心配ぇって。ピアノが置いてあるんだから誰も分かりゃしないって」

(隣の方にそう言えばセンセイって呼ばれた!まずい…センセイではない)

ぶっちゃんさん、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

師走のコウちゃん “paper client”

こんにちは。今日は師走のコウちゃんについてお話させて下さい。

コウちゃんは、この時期に一度だけやって来るクライエントさんです。時間枠を3回分でとご依頼いただくので、ここ数年12月の3時間をコウちゃんとカウンセリング?させていただいております。

コウちゃんは40歳代男性、chubbyで笑顔が素敵な方です。

お悩みは師走にテンションが上がり、買い物とおしゃべりが止まらず、昼夜問わず活動してしまうことです。

私のところに3時間もご予約をお取りいただくこともひょっとして…。

今年は奥様へのプレゼントでエルメスの高級カバンを購入し、アストンマーチンまで予約をしたそうでカタログをお持ちになりローン契約書までみせていただきました。奥様もお疲れになり、「こんなカバン要らないから!」とご夫婦でデパートに謝罪&返品に行かれたそうです。

それだけではありません。コウちゃん、今年は100万円の帯付きの札束(ホンモノ)を透明の極細糸で小指に結び、混雑する電車でわざと大きな咳をしてみんなが振り返ったところで電車の窓を少し開け、1万円の束をみんながみたのを確認後、窓から落とし手元に手繰り寄せてみんなを驚かせて素知らぬ顔で降車するのが楽しみだそうです。私は、迷惑条例とかに抵触しないかとこころでは密かに思っていますがとてもコウちゃんには言えません。札束を見せていただきながら…(糸の長さは70センチ位かな)などと冷静に確認しておりました。

コウちゃんは奥様にもカウンセリングを受けていることをお伝え済みで奥様とカウンセリングのことも共有させていただいております。コウちゃんがこのような状態になるのは師走だけだそうなので多目にみていますという奥様は懐が大きいと思います。

ちなみにコウちゃんは奥様によると、中小企業にお勤めの会社員で、普段は背広を着られているそうです。私のところに来て下さる時の格好は…手作りの鈴が頭頂部に沢山ついたニット帽子にワッペンだらけのトレーナー、社会の窓が半分空いているデニム、エナメルの尖った靴に登山用リュックという奇抜な出で立ちです。チャイムを押す時から歌を歌いながら入室されます。

コウちゃんは去年はバーで一晩で200万円を使ってしまったこともあり、抑えきれないパワーをカウンセリングで大掃除しに来て下さるとのことです。カウンセリング中はとにかく間髪入れずにずっとお話をされます。「来年は2億は稼げる企画がある」「仕事のオファーが止まらない」「出版の依頼がありすぎて困っている」「忘年会の掛け持ちで」…。

コウちゃんが大きな声で歌っているので事務所マンション内の住民は大変驚かれていらっしゃいました。医療機関に受診勧奨をしたこともありますが、「病院なんか行くか」とのことで奥様にも同意を取りカウンセリングのみで対応させていただいております。

コウちゃんに来所いただくと私も師走感が一気に増します。そんなコウちゃんに度を越さないように奥様と連携を取りながら師走を迎えられたことに感謝しております。以前大学の授業で「躁状態にある方はターバンを巻いたり帽子とか被って頭を高くする方が多いです」と習ったことを思い出しました。

アストンマーチンの契約はどうなったのかなぁ…?

大掃除カウンセリングが終わると「ペルソナ・ノン・グラータ‼︎意味が分かるか?」とおっしゃりながら、B’zの“ultra soul”を大声で口ずさみながら帰り支度をされます。それから登山リュックの中からスピーカーを大音量で鳴らし始めました。

職務質問に合わないかな?私「あの…申し上げにくいのですが社会の窓とスピーカーは…」コウちゃん「社会は大事だぞ‼︎半分位どうってことねぇ!歌のひとつも鳴らしゃちゃいけないのか」とのことでしたが「そこをなんとかお願いします」コウちゃんは“persona non grata”と言いながら社会の窓を上げながらスピーカーも止めて下さりました。「Very merry X’mas〜&Happy New Year〜🎵」と曲を変えて歌って“persona non grata”と玄関前で雄叫びを上げながら事務所を後にされました。

B’zの「ultra soul」と “Very merry X’mas”…私の中でもリフレインされてしまいました。一度だけでも師走以外のコウちゃんにお会いしてみたいのは私のこころの欲望です。

コウちゃんは私にとって…。

招かれざる客ではありません。

“Welcome”&“Unique One”

コウちゃんにとって2018年が良いお年になりますように。

お読みいただきありがとうございます。

 

 

奏恵さん “paper client”

奏恵さんは美容師さんで、今は結婚して専業主婦をしています。4歳と2歳の娘さんがいらっしゃいます。お揃いの服を着て、奏恵さんが結った編み込みが可愛らしいこと。相談室には2人の娘さんと一緒にいらっしゃいました。奏恵さんと2人きりでお話したかったので、お姉さんの珠恵さんに箱庭の説明をして、何かあったらママと私はこのお部屋にいることを伝え、ドアのノブは閉めずに、妹さんの希美さんと別のお部屋でお留守番をしていてもらいました。

以下奏恵さんのお話です。

ある日のことでした。ご主人さんの帰りが遅くなると連絡を受けて、急遽子ども達が喜ぶ食事を用意していたときでした。「急に自分が自分を眺めている姿が見え、子どもと自分が楽しく料理をしているのが見えた」そうです。私はお訊きしました。(その姿を見たのは…)「確かに私の目なんです。子ども達と笑顔で料理している私と子ども達が見えました。本当は楽しいはずなのにその見ている時の私の目は…ずっと泣いていました。それ以来、考えてみました。私はその時だけではなくていつも私を見ている目みたいなものがありました。その目みたいなものなのか本当の自分の世界なのか時々分からなくなって。どっちが本当なのか…でも、そんなことは考えないこともあります。台所で子どもと一緒にいた時にそういう風になってしまって、しばらく帰って来られなくなって、目の前にいる珠恵も希美も本当は存在しないのではと怖くなって…。震える手で珠恵を抱きしめました。珠恵は心配して『ママ、どうしたの』って言って、希美は珠恵の心配している顔をみて大泣きしてしまいました。私は母親失格ですよね」(…いえ、そんなことありません。お話してくれてありがとうございます。奏恵さん、今もその…奏恵さんの目のような方は…)しばらく沈黙が続きます。「…います。小澤さんにこころを許すな。こいつも裏切り者だって言っています。…ごめんなさい」(…ありがとうございます。その目のような存在とアクセスが可能なのですね…)「でも、今の私はカウンセリングを求めて来ているんです。なのに、本当にごめんなさい。コントロール出来なくなってしまったら、小澤さんのところに来れないですよね」(いつでも、必要ならお越しください)「私、あと全部忘れてしまうことがよくあって。知らない間にタバコを吸ってたり、レシートに、私マグロは食べれないし、主人も食べれないのにね、マグロの刺身を買ってた経歴があって」(これからゆっくりお話していきましょう。急にだと疲れてしまいます。それに、その目みたいな存在の方の意見も尊重してみませんか。私のことを裏切り者だってお考えのようですから)。奏恵さんは、カウンセリングの間ずっと泣いていました。

ろそろ終わろうと思った矢先、背後から頭に何か飛んで来ました。「痛っ。え!」と振り返ると、カゴいっぱいに箱庭のアイテムを入れた珠恵さんと、希美さんが泣きながら「ママのこと虐めるな。ばかばかばか」と言いなが一方的な雪合戦のように私に箱庭のアイテムを投げつけてきます。

奏恵さん「止めて。この人はママのお話聴いてくれただけなの。ママが泣いたのはこの人のせいじゃないの」私「ごめんね。びっくりさせてしまって」。子ども達はまだ私を警戒しています。奏恵さんをぴったりガードして、「ママ、ママ帰ろう」と泣き続けています。

子ども達には母しか映りません。子ども達のすべては母であるのでしょう。しかし、母の全ては子ども達ではありません。そして大人達のこころは常にお腹が空いています。

珠恵さんと希美さんから大きく学ばせていただきました。奏恵さんはそれ以来、祖父母に2人を預けて相談室にお越し頂くことになりました。珠恵さんや希美さんには嫌われてしまっただろうなぁ。いつか逢えないかなぁ。

私のこころは「お腹が空いて、喉も渇いている」ことをその夜の間中考えていました。

(子どもっていいなぁ。私も子どもに恵まれたかった)

気付くと自然と涙が流れ、空っぽなこころを埋めることに夢中になっていた自分と、空っぽだからこそ心理士の仕事をしているんだろうなぁ。と内省しておりました。

さてと、気持ちを切り替えて箱庭を片付けようっと、思った途端、あぁ〜、潤砂高いのに買い直しだなぁっとダイソンをかけながら考えている現実の中に自分がいることに苦笑いしておりました。

お読みいただきありがとうございます。

 

 

 

 

堂下守三さん(架空のクライエントさんです)

今日は堂下守三さん(60歳代後半男性)についてお話させて下さい。

細身の紳士。糸の細かい高級そうなジャケットに清潔感のあるクレリックシャツにサスペンダーという「歩くwall街」のような方です。そう、カフスボタンはホワイトゴールドの金庫の形のものでした。時計もフランクミュラーかな。成功者ってこうなんだなぁという印象でした。img_2215

堂下さんは「経営者」で、Silicon Valleyで業務拡大する際にご友人と新しい会社を設立しようと思っていて、その会社名やスタッフ確保をどうするかということに関してのご相談でした。“dodger room”という名前はどうかと訊かれたときには、堂下さんのDだと思い、「面白い名前ですねぇ」などと深く考えずにお応えしておりました。「経営者っていうのは、自分の社員に働いてもらい、任せることはまかせて自分ではつねに新しい企画を考えことが鍵なんだ。おれも時間がある時にはここで君のカウンセリングみたいなもの…を利用して何かヒントになるものを探す。欧米ではそうだからね」。

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堂下さんは非常に博識で、私なんかでお役に立てるのか…こんな古い事務所で…不安だらけでした。それでも堂下さんは何度も訊ねて下さり、愛車のロールス・ロイス、メルセデス・ベンツ、イギリスのTVRを所有しているが今度はローバーのディフェンダーを購入したいが車庫だけで何十万円になること…事業が上手くいきすぎて心配なこと、日本に生息するゴ●●リ、cockroachの種類と集合フェロモンの仕組み…それはそれは実り多い知識を沢山ご教授いただきました。

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興味深かったのは、必ず堂下さんはカウンセリング中に私に持参したクラッシックのピアノのCDを聴くよう依頼されたことです。(今はアップルミュージックとか、YouTubeとかあるんだけどなぁ)と思いましたが、業務の一環だと考えご一緒にポータブルCDプレイヤーで聴かせていただきます。初めて聴く曲に「私のこころの耳」が興奮して踊り出しそうになったり、大嫌いな曲も否応無しに聴かなければならないこともありました。私の興奮が伝わったのか、ドビュッシーの小組曲のCDは堂下さんがプレゼントしてくれました。以来、私の脳は嫌なことがあってもこころにMenuettを流せば大丈夫なほどのお守りになっています。img_2220堂下さんに心理士としてどんなお役に立てているのか考えあぐねていたある日のことでした。いつものように明るく話してた堂下さんが突然、しばらく下を向き沈黙したと思ったら泣き崩れてしまいました(かなり長い沈黙だと感じました)。(え、堂下さん‼︎)私はただティッシュを渡すことしか出来ません。「人間というのは…全部嘘なんだ。ウソだけでコ・・ウ(ヒック)セイされてる。この時計もよく出来たニセモノだ。学歴も仕事も嘘をついてきた。君のところは保険証はいらない。オレは東大の受験がない年だったから早稲田に行ったと話した。キミは、いや失礼だな、貴方は、なんでそんなおれに気付いてくれなかったんだ…それとも気付いてたのか」私は心の底から驚き何も言えませんでした。堂下さんは鼻をすすり泣きながら続けます「…人生の失敗者だ。成功してる奴らを怨んでいる。なんで他の奴らみたいになれなかったんだ。envyもある。おれは単なるサラリーマンのイエスマンだ。しかもまた社内…で…左遷されて…窓際族…お祓い箱ってやつだ。君に幸せそうに写った家族写真を見せたこともある…。アレも合成だ。会社の近所の写真屋に今日とは違う偽名で頼んだよ。窓際族はヒマなんだ。経営者もそうかもしれんが…。家ではカミさんからも子どもたちからも相手にされない。飯だっておれの分だけは作ってもらえない。朝はひとりで吉●家で定食を食べてるね、淋しい人間なんだっていうことだ。ここだけが『おれの嘘と夢』を語れる場所だった。それにアンタは仕事だから付き合った。おれは君の時間を買ったということ。それ以上でもそれ以下でもなかろう」。私は言葉に出来なくて黙りこんでしまいました。

オザワノアタマハタダイマコミアッテオリマスモウシバラクオマチクダサイ。

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沈黙の後、やっと出て来たひとこと目…明るいトーンで「堂下さん、ドビュッシーの小組曲のMenuettのCD聴きませんか」。堂下さん「小澤さんが気に入って前に上げたやつか」私「はい。どんなに嫌なことがあっても、あの曲のおかげで私は乗り越えられています。堂下さんがどんなお仕事をしているとか、成功者とか…分からない。そういうことより、知らないことを教えていただいたことの方が嬉しかったです」堂下さん「笑ってごまかすな。大事な話をしてるんだぞ。こんな嘘つきは嫌いか」私「ウソを嫌う理由はありません。ただ、心理士として私、お役に立てたのか…」堂下さん「憧れのおれを演じさせてもらう最高の場所だった」私も淋しくなって「…過去形なんですね」堂下さん「また来ても失望しないということか」私「もちろんです。また色々なこと教えてください。さっきウソって堂下さんはおっしゃったけど、TVRだってドビュッシーだって実在します。知らないこといっぱい堂下さんに教わりました。それはウソではありません。ネットで勉強しました。カッコ良い車です。ローバーのクルマ?だって最高な車で泥が似合う高級車で、アフリカに行きたくなりました。私は仕事の時はここにいることしかできません。堂下さんから教えていただいた全てが、ウソも含めて…この部屋から出られない私にとっての堂下さんで」堂下さん「キミも不幸のナカマか。幸せは大丈夫なのか」私「幸せ…っておっしゃいましたか…わかりません。主観的にはoptimistでないことは確か。悶々とどうにもできなかった過去のことをくよくよ考えることも沢山あります。(沈黙後明るく)でも、ドビュッシーがあるじゃないですか!」。堂下さん「誰が笑っていいと言った。それはお前さんが、ドビュッシーの一曲だけで喜ぶ無知な人間なだけだ。知りすぎた不幸の方がはるかに辛い。オマエさんよぉ、ハカセなんだろう。イツワリを生きるメジャーの人間か。そうやっていつも笑って逃げるな。今日の最後にアカデミックに教えろ。おれは病院に行った方がいいのか。ウソつきの『病』を何ていうんだ。いいか。絶対に笑うなよ。今のおれの質問に真面目に答えろ」堂下さんのこんな表情は初めてでした。私はその時の堂下さんを初めて怖いと感じたし、応答にも困りました。カウンセリングにシナリオはありません。img_2221私(low voiceで真面目に)「心理士に法的に診断をする資格がないことを初めにお断りさせていただきます。心理士は人を健康的な側面から考えます。ですから、堂下さんを「豊かなfantasyへの没入傾向があり、防衛機制としては合理化や知性化が優位になっている傾向が見られると考えます。また、堂下さんが嘘をつくことによって何らかの利得を得ようということなら、それは「疾病利得」と言って、症状を利用している可能性もあるかもしれません。敢えて堂下さまの症状に名前をつけるのだとしたら…。

堂下さんには、『空想虚言症(pseudologia phantastica)』の傾向があるかもしれません。病院に行く必要性については、嘘をつくことによって堂下さんがご自身で抑うつ気分や不眠症状や抑うつ気分などの二次的な症状が出現してからで私は良いと心理の立場からは考えております」。

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堂下さん「ハハハ。オザワハカセさんよ。やっと笑わないで真面目に応えたな。限界か…。もうひとつ確認事項だが心理士の仕事というのはホワイトカラーなのか。それともピンクカラーか」私「…アサギイロワーカーというところでどうですか」堂下さん(やっといつものように)「おれが教えた色を真似しおったな。浅葱色か。今日のところは赦してやる。金を払ってこれからも教えてやろう。少なくとも堂下守三は偽名だ」。

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(えっ!)堂下さんは「フランクミューラー『風』」の時計をしっかり見つめ時間丁度に席を立たれました。堂下さんが去った後、空の椅子 empty cheirを片付けながらふと気付きました。

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(会社の名前、dodger room…ってドッジボールみたいな名前。あれ、待てよ。dodgeってどういう意味だっけ。辞書を引いた。あっ、ヤラレタ。dodgeは身をかわして逃げるとか巧みにひらりと逃げるというところからきたんだ。堂下さんのDでもアメリカの野球チームでもないんだ‼︎ で守三は守る空間?…room?で、モリゾウか‼︎ヤラレタァァ。あぁ「アサギイロワーカー」まだまだだなぁ。そういえばdodger roomのこと、みなまで言わすなってずっとおっしゃってたなぁ。本名はなんというのだろう…)とドビュッシーのCDの蓋を閉めながら考えていました。堂下さんの高機能についていけない私は「お金をもらって」教えていただいるのですね。

精神療法について、かの有名な中井久夫先生が「娼婦」との類似性を指摘しております。精神療法、心理療法の時は2人で濃密な時間を少なくともその時点では過ごしているからです。

私はいつも目の前にいらっしゃる「たったひとりのクライエントさん」とひたすらに向き合うことを重視しています。

上から目線や病理で考えるような「教育的な」心理士にはなりたくありません。

たとえそれが過剰サービスと言われても…。私の中ではピンクではありません。

長い物語をお読みいただきありがとうございます。堂下さんのますますのご活躍を祈念しております。

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paper client 撫子さん


撫子さんは30歳代の女性です。ある日のセッションの終わりかけに「山手線に飛び込むか風俗に行くかしか選択肢はなかったんです」美しい撫子さんからのひとことに私は仰天しました。私は「そうですか。それでも今を生き延びる場所として風俗のお仕事を選ばれた」と応じました。「今を生き延びる能力」の大切に関しては、医学書院のケアをひらくシリーズ上岡晴恵+大嶋栄子さんの「その後の不自由」という本で読んで感動したことを覚えております。

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私の受けた撫子さんの第一印象は「今刹那を一生懸命を生きている」というものでした。豊かな黒髪の瞳のまっすぐな女性です。撫子さんの一生懸命の瞳の先は、常に皆が不快にならないかを直感的に見つめ振る舞います。カウンセラーの私にもいつもお気遣い下さります。そんな撫子さんのお話を今日はお話させて下さい。

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撫子さんには特技があります。それは「人のこころ」「場の空気」を一瞬にして察知する能力です。その空気を「ご自身のためではなくその場にいるみんなが心地よく過ごせるように察知している」ところがポイントです。私がセラピストとして知りたかったことはそのような振る舞いを提供している撫子さんご自身の感情は何処に向かいどのように対処しているのだろうということです。撫子さんから本当に多くのことを教えていただいております。

私たちはすぐに規範や価値判断に基づいて発言することが多いと思います。

血液型は?出身地は?宗教は?出身大学は?仕事は?アニメ好き?精神科を受診しているの?セクシャリティは?

その答えの裏側には重要な情報収集があるかもしれません。お茶の間の話題の提供に貢献してくれることもあります。しかし、その情報からわたしたちは「風俗?」「T大なの?」「メンタルの薬を飲んでるの?」「あの人って◯型何だって」「あの人ってボーダーじゃない」「アダルトチルドレンじゃない」「◯教なんだって」その先にはその人なりの「価値判断」があるのではないでしょうか。「風俗で務めるって病んでない?」….。「T 大なんてすごーい!」「精神科を受診しているんだって」「アニオタなんだって」「ボーダーラインなんだって」などなど。

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(私はメンタルとは無縁だけどね)(かわいそう)(T大だって)(◯教かぁ)(私はわかんない)(無理じゃない)…。

私の答えは次の通りです。「それで?それが?」

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It is none of my business.それは私の仕事ではありません。

ご相談者さまにひとりとして同じ方は存在しません。カウンセラーも「ひとり」。クライエントさんも「ただひとり」そしてそこから生まれる二者関係もただひとつunique oneの関係なのです。血液型や疾患名や世間の価値観やアカデミズムで括ったならその方らしさは一瞬で掻き消されてしまいます。

撫子さんの今を生きるために風俗のお仕事を選ばれた選択を「私は」素晴らしいと感じています。そして、刹那を生き延びた撫子さんがご自身でご自身の道をご自身の信念に基づいて選択されていかれることを応援しております。

価値判断をしないことは自分の考えを持たないことではありません。

しかし、価値判断をする前に、まっさらに目の前の方や事象と向き合うことによってこそ、私たちの視野が広がるのではないでしょうか。

撫子さんは何時も一生懸命に目の前のことに生きていらっしゃいます。澄んだ瞳は穢れを知りません。たった今を一生懸命に生きていらっしゃる撫子さんはとても素敵です。

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「価値判断を傍に置くこと」は専門職同士でもなかなか理解していただけないことが多いし、ご相談者さまからもご質問されることが多いです。「小澤さんはどう思う」と。私はカウンセリングの中で自分のなるべく答えは出さないように気をつけることにしています。

その理由はご相談者さまの自己決定権選択を大切にしたいからです。

一生懸命にたった今を生きていらっしゃる撫子さんのご活躍を陰ながら応援させていただいております。

次回のお約束をした後、凛とした表情で新宿の夜にお出かけになりました。

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撫子さんの大きなカバンの中には豊かな感受性とそれに伴った空虚感をもご自身のものにする底力と今日を生き抜く力と明日の夢と希望がたくさん詰まっていることでしょう。

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ラミィさん

こんにちは、寒いの寒いの飛んで行け〜♫と毎朝が辛い日々が続きます。北陸地方は薄っすら雪景色です。

img_2032こうして毎日憂うつな冬を過ごしている間も木々は光合成と呼吸を繰り返しています。私たちは日常の心配事や日課をこなしています。

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今日は架空の症例ラミィさんについて書こうと思います。ラミィさんは、実在するクライエントさんではありません。

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ご気分のすぐれない方は臨床のお話になりますのでここから先はご遠慮下さい。

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ラミィさんは個室サウナに勤務する20歳代の女性です。幼少時から色々な複雑な生い立ちがあったそうですが、貧しい少女時代を過ごした彼女はお母さんに家を建てることを夢見てそのお仕事に就いたそうです。ラミィさんはあどけない少女というより冒険好きの少年のような屈託のない笑顔が素敵な表現力の豊かな女性でした。いつもラミィさんとのカウンセリングは他の人の話ばかりです。(ラミィさんのお話が聴きたいんだけどなぁ)と思いながらカウンセリングをしていました。ラミィさんはカウンセリングの始めの頃は穏やかに笑っていましたが、回数を重ねたある日、しばらく沈黙した後、哀しそうに泣き崩れて「私には自分がないんです。私は無いんです。あの仕事をしている時、体も心も自分のものでは無くなっちゃう。口は機能としてあるんだけどそれはリップサービスかオーラルセックスの時だけなんです!相手を悦ばせる口。仕事中は相手の反応に合わせているなので身体の痛みや不快感は全く感じません。仕事でもプライベートでも生きている実感が無いんです。空っぽなんです。私は自分をどこまでも無限に飛ばすことができます。お客さんの目付きから望んでること、言葉遣いや仕草からお客さんがして欲しいことが痛い位に私に入ってきて…お客さんといる時「本当の私」はどこかにいなくなってお客さんの欲しいものだけ全部与えられるように気持ちもセックスも声のトーンもお客さんの求めるままを与える私に自然と変わるんです…。「本当の私」はそこにいないから…「本当の私」はこのまま存在が消えちやうのかなって思うと…すごい怖い」《お母さんにお家を買う夢のことは?》「私…分かってるんです。お母さんがそんな仕事して買った家なんて欲しがる筈ないってこと…。(泣きながら強い声で)私がそんな仕事して買った家になんかお母さんはホームレスになったって住む訳がないでしょ。私がお母さんが喜ぶって勝手に思って、家を買うお金を貯めてるだけ。喜んでくれるっていう私の妄想。誰かが喜んでくれるためだけに私は存在するんですよ。喜んでくれる相手がいて初めて私という存在が生まれます。カウンセラーの私はとても驚きました。いつもの冗談ばかりのラミィさんの表情ではなかった。私達はしばらく黙ってしまいました。

アラジンに出てくるランプの精のジーニーみたい!

言葉にしなくても分かるなんてジーニーよりすごい!

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でもそれはね、「本当の私」じゃないんです。でも…今さらそんなこれまでの空っぽを認めるなんてことしたら…「私」が散り散りに崩壊しちゃいます!と言って、ラミィさんはいつも通りのラミィさんの屈託のない笑顔に戻っていました。私はもう一度だけ、大きな声で子供みたいに泣いたラミィさんの「本当の私」に会ってみたかった。でも空っぽの「本当の私」をカウンセラーに見せたラミィさんからは何だか宿を探している裸んぼのヤドカリのお尻を見てしまったようで、安易に宿という慰めを提供してもラミィさんは喜ぶ筈がないし、私のどうしようと構えている姿勢、警戒がラミィさんに伝わってしまうのでは…カウンセラーとしては見てはいけない姿を見させていただいたような恥ずかしいような、申し訳ないような気持ちにもなりました。その後、しばらくしてラミィさんはお家を買い、大きな犬も飼ったと報告に来てくれました。ラミィさんの目の奥は強さと哀しみを湛えていました。「幸せの構図に『本当の私』は必要なくて、必要なのはみんなが楽しく喜んでくれるための「私」なんです。今はこの大きな犬に癒されて頑張って仕事します。お金さえあればなんだって出来るってことをこの仕事から得ました。聴いてくれてありがとうございます」。とラミィさんは教えてくれました。私は 「いつかまたラミィさんにも、ラミィさんの『本当のラミィさん』にもお逢い出来たら嬉しいです。いつでもお待ちしています」と伝えたら、ラミィさんははにかんで「そぅですね。またよろしくお願いします」と笑顔で相談室を後にされました。それから、今までラミィさんには会っていません。あの時、私はラミィさんのペルソナを脱いだ「本当のラミィさん」にお逢いさせていただきました。カウンセラーはクライエントさんからのご連絡をお待ちすることしか出来ません。今頃ラミィさんはキラキラ少年のような笑顔と目の奥には静かな強さを忍ばせながらみんなの人気者になっていることでしょう。

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ラミィさんの中の「私」と「本当の私」について、今日は架空のクライエントさんラミィさんにお越しいただきました。ありがとうございます。

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さぁ、クライエントさんが来てくれる時を楽しみに空気を入れ替えて花を活け、部屋を温めておきましょう。

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お読みいただきありがとうございます。

There is always light behind the clouds.

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By Louisa May Alcott

Paper Client “uncle Ken”

こんにちは。冬から春へ一気に移行中ですね。紅梅も咲き出しました。

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梅春物の季節には何を着て良いか毎日苦戦します。新年度を迎えるにあたり体調もこころも崩しやすい時期なのでお互い気をつけましょう!今日は小さい頃にお会いした不思議なおじさんについて懐かしむ大分脚色したお話をさせて下さい。今日は臨床コラムになりますのでご気分の優れない方はスキップして下さい。

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ケンおじさんの話

私が小学校2年生の夏、子どもたちの集合場所だった川添いの原っぱで初めて自称「ケンおじさん」にお会いしました。ドラエもんに出てくる場面じゃないけど…。その原っぱには小学校低学年の子どもなら3、4人ほど座れる土管が五本横わっており、他にも工事用の金属片やブロック、フェンスなんかが並んでいました。春には土筆や野蒜なんかも見られる野良猫や私たち子どもたちには格好のほのぼのした原っぱでした。

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小学生にとって夏休みって本当に長くて…ラジオ体操に行ったり、日記を書いたり、ヒマワリの大きさを測ったり…元気があり過ぎてヒマを持て余して毎日外で刺激を探し求めておりました。誰と約束があるでもなくフラフラしていると、子ども仲間がいつの間にかその原っぱにはいました。私は両親が共働きなこともあってその原っぱで日中のほとんどを過ごしておりました。時々その原っぱの関係者の方に「勝手に入るな。子どもには危ないものがいっぱいあるんだぞ」とお叱りを受けておりましたが、まぁ理解のある大人達でそれ以上何も言われませんでした。ネコとヒマな子ども達しかいない平和な原っぱにある日突然ヨレたスーツのシャビーなおじさんが現れました。

ケンおじさんです

私は警戒のない子どもでした。原っぱの見張り番だったし、おじさんでも子どもでも同じ条件です。まず名前を訊ねました。「僕はケンおじさんです」とだけ教えてくれたあと、自分の上着を顔に被って靴も脱いで土管の日陰で寝てしまいました。で、私は千咲だと名乗りましたが、ケンおじさんは反応もなく気だるそうに土管の狭間で上着を被ったままゴロゴロしていました。眩しくて暑い夏の日。えっと、当時の私の年齢の括りでは大学生まではおにいさん、それ以上はおじさんです。ケンおじさんは今思えば当時多分40歳代後半だと思います。

「おじさんだって色々あるんだよ。ほっといてあげなよ」と友達に言われ、ケンおじさんのことは放置して子ども達はゴム段遊びとか、チョークの落書きとかラジコンとか縄跳びとかいつもの遊びに戻っていました。私も友人との遊びの中に戻りました。

しばらくして友達のクラマが飛んで来て「ケンおじさんがさっき急に起き出して、原っぱの部品でみんなが乗れるトロッコ車を明日作ってくれるって!」って言うんです。

「トロッコって?」私達はウキウキです。ケンおじさんは子ども達に各自家に帰り、自転車の補助輪、クルマの古タイヤ、三輪車、不要な自転車の部品、車を作るのに役立つ部品を探しに行くよう命じました。みんなは帰って色々家を探しました。子どもだからほとんど何も持っていませんでしたが、とりあえず車のついたものやパイプベッドの柵やらを各自持ち寄りました。ケンおじさんは原っぱにあった鉄パイプや弟の三輪車や壊れた自転車のタイヤを上手に積み上げて、古い木材やフェンスと鉄パイプをバラ線でつなげたり、その上に自動車の古タイヤを載せたり、明日はこれをつないでこんな車が完成だ!と赤いチョークで土管の側面に設計図的な絵まで描いてくれました。

img_1422ケンおじさん!原っぱに夢を与えてくれるスター!

そのうち、今日はもう遅いから子どもは帰るようにケンおじさんに言われみんな明日を楽しみに家に帰りました。

しかし、私は変な子どもでした。ケンおじさんがもしも明日いなくなったらどうしようとなんとなく怖くて仕方がありません。

何を思ったのかわからないけど、ケンおじさんに家の押し入れのタオルケットとか自分のご飯をオニギリにしたものとか牛乳とか飲み物とか親の目を盗んでお鍋の煮物を持って、原っぱの土管のところにひとりで会いに行きました。

姿を探すと始めに横になっていた土管のところにケンおじさんはいました。話しかけようと思ったけど少し怖くて、じっと立ってこっそりケンおじさんの様子を見ていました。

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ケンおじさんは上着で顔中を覆ってさっきみたいに寝ていました。(きっとお腹空いてるだろうな)と思い、もう少しだけケンおじさんに近付きました。寝ているように見えたけど、ケンおじさんの上着が動いていて…独り言の声が聞こえました。「違うって言ってんだろう。植林の話は無しだ。酪農の方はトミオカに任せろ…また来たのか!」という感じのひとりごとです。しばらく見ていましたが止まらないので「ケンおじさん、お腹空きましたか」って話しかけましたが、上着を被ったままで「トミオカだろう」と言われてどうしたら良いか分からなくて「千咲です。オニギリ食べますか」って聞きました。ケンおじさんはしばらく無視して話し続けていましたが「トミオカの子どもか」と私に言いました。私は「違います。ごめんなさい」と謝り「でも土管の中に入った方がきっとよく寝れます。いつも私はそうしています。土管は朝が眩しいしそのままだと痛いと思ってタオルケット持ってきました。ご飯と飲み物も持ってきました。明日はケンおじさんの作ってくれるトロッコ車をみんな楽しみにしてるからお願いします」とひとりで一方的に話しかけ、淋しい気持ちで走って帰りました。

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その夜はケンおじさんのことで頭がいっぱいでした。ケンおじさんは誰と話していたんだろう。どうして突然原っぱに来たんだろう。どうしてトロッコ車を作ってくれるなんて言ったんだろう。お仕事で何かあったのかな。何か私悪いことしたかな…。

なかなか寝れなくて朝は眠かったけど、起きてまっすぐに原っぱに行ってケンおじさんを探しました。

そこにはすでにケンおじさんの姿はありませんでした。

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朝になったらケンおじさんがいなくなってしまうことは、理由は分からないけど、うっすらと昨日の晩からわかっていた気がします。でも子どもながらにウソつきだってケンおじさんのことを怒っていました。なんでいなくなったの?朝になったら車を作ってくれるって言ったのに。朝の原っぱには昨日持ってきたタオルケットと、空っぽのお茶碗と牛乳瓶が並んでいました。私達が持って来た自転車や三輪車やタイヤとかは車になるどころか、川添いの柵に見事に高々と括りつけてありました。鉄パイプの上にもタイヤと自転車の一部が巻きつかれており、なんとも言えない不思議で不気味な光景でした。でもある意味で今考えれば芸術的だったのかも知れません。img_1428

「全然車じゃねーじゃん。なんじゃこりゃ。ドリフターズ風に(あ、ヘンなおじさん)まじウケる」とクラマも他の子どもたちもケンおじさんのことは笑って忘れていつも通り遊んでいました。でも私はずっとケンおじさんに怒っていました。ウソつきなケンおじさんが許せなかった。でも、夜にこっそり会いに行ったことは誰にも言えないままでした。

夏休みもとっくに終わったある日、親の帰りが遅くなって、クラマのお母さんがうちでご飯食べていきなよと言ってくれて、クラマはそういう時にはいつも自分の部屋に行ってしまってたから、クラマのお母さんと2人きりになって…勇気を出して、うちのお母さんには言わないで欲しいんだけど…とずっと考えていたケンおじさんの話を切り出し、原っぱであったことを聞いてもらいました。話しているうちに涙でいっぱいになって何にも見えなくなって、上手に話せなくなって、ヒクヒクになって泣きじゃくり「ウソつき、ウソつき、ケンおじさんのウソつき…」とだけ繰り返していた気がします。

気が付くとクラマのお母さんがそばにいて、服には鼻血の跡があって、頭を撫でながらおでこをタオルで冷やして教えてくれました。「千咲ちゃんはなんでも知りたがりるナイーブな子。面倒見のいいお姉さんっていうか。鼻血出してまで泣きながら人のことを心配するって…でもね、それは優しいというよりこれから生きていく上でずっと大変な体験をすることかも知れないってことかもしれないって覚えておいてね。うちのクラマには全くそういうところがないから、足して2で割れたらいいのに…もっと楽に生きていいのよ。子どもなんだから…」「ねぇ、千咲ちゃん。ケンおじさんのことを怒ってるの?おばさんの分かることならケンおじさんのどんなことでも知ってみたい?」とクラマのお母さんに聞かれ大きく頷きました。

「ケンおじさんは昨日みたいに、たまにあそこの原っぱに来るんだけど。こころに病気があるの。長いこと入院をしたりもしているのよ。ケンおじさんは、朝までずっと同じところにいると、色々なことを思い出してとっても怖い気持ちになるから、人に見つからない夜明け前には違うところに移動するの。ケンおじさんはまあるい光ったモノに守ってもらえると信じていて、怖いことがあるとタイヤとかボールとか丸いものや光ったものを集める習性があるんだって。前はおばさんのうちの庭にも勝手に探しに来たことがあって、おばさんも怖いし知らないから一度110番したことがあって。そうしたら警察の方がね、精神の…あ、こころの病気だから署からお医者さんの方に来てもらうっていうことがあったの」「じゃあ私達に車を作ってくれるって言ったのも病気のせいなんですか」「それは…多分ちがうと思うわよ。本当にその時はそう思ったんじゃない。だから今度ケンおじさんに会っても怒らないでそっとしてあげてね。ケンおじさんはあまり話かけられることは好きじゃないけど、もしまた会ってもそっとしておいてあげてね」「おばさん、こころが病気になるってよく分からないけど、それに病気でもウソつきは嫌いです。でも教えてくれてありがとうございます。私、ケンおじさんにいっぱい話しかけちゃいました」。「知らないかったんだから仕方ないじゃない。でも、この話はクラマにもあなたのお母さんにも言っちゃだめよ。おばさんと千咲ちゃんの秘密だからね」とクラマのお母さんは言いました。

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大人になって少しだけケンおじさんの話が分かる気がします。ケンおじさんとクラマのお母さんのおかげもあってこころの不思議な病気について初めて少し知ることが出来ました。

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人には踏み込んではならない聖域があります。私には今でも好奇心や興味からその聖域を知らずに侵してしまうことがあることを反省し気を付けています。私自身が人が大好きで聖域を持たないせいかも知れません。相手にはデリケートな聖域がある前提を持たねば人を傷付けてしまいかねません。人を自分の物差しで測ってしまうことは仕事上ではtabooです。こころの専門家なのにダメだなぁ。でも、そういうことを教えてくれるのって必ずしも学問上の先生やお医者さんとは限りません。私にとってクラマのお母さんはそのひとりでした。

私に大切なことを教えてくれたクラマのお母さんも天国に行ってしまいました。

ケンおじさんがきっとまだどこかの原っぱで車を作ってくれていますように。

クラマのお母さんに慰めてもらったことはずっと忘れません。クラマのお母さんが亡くなったことが信じられないでいることも、手作りのジュースを病気の時に家に持って来てくれたこともずっと忘れないでいたいです。

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長くなりましたが、ケンおじさんの話でした。

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ケンおじさんのますますのご活躍を祈念して…。

長文に付き合いいただきありがとうございました。

今後ともよろしくお願い申しあげます。

トロッコ車に乗りたい春に車窓からのMt.Fuji と♫

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希望と勇気を与えてくれるトルコ桔梗とアネモネの花束と♩

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counseling room Picardy 3rd. 小澤千咲